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GRAPHICATION No.96 表紙

山口牧子「共鳴」

藤枝晃雄(表紙論評)

                             富士ゼロックス 1998

 

 

 

 

 

             

    

             

 

綿キャンバスに胡粉などが施された下塗りに岩絵の具、水干絵具で描かれた作品で、主たる材料からは日本画に属すが、表現されたものはそうした区分を不要にしている。画面ではピンクの地・背景にいくつかの植物状の形をなす青が図・前景として重ねられている。両者は対照しながらも、その微妙な色調のために分離せずに溶け合っている。この作品は、今なお、暗い絵が多くを占める我が国の美術において、珍しく豊潤な色彩表現を有している。(藤枝晃雄 美術評論家)